世界記録は午後4〜5時に出る — 1RM測定の時間を揃えるべき理由
要点
世界記録はおおむね午後遅く、4〜5時ごろに出る。体温と24時間の体内時計が同時にピークを打つ区間だからだ。一般のリフターにとっての実用的な意味は、トレーニング時間を移せということではなく、1RMを測る時間帯を固定せよということにある。朝に測った記録と夜に測った記録を同じ線に乗せると、トレーニング効果と時間帯効果が混ざって推移が読めなくなる。
人には24時間周期の体内時計があり、このサーカディアンリズムが睡眠・覚醒サイクルからホルモン値まで多くの生体過程を調節している。ここから出てくる観察のひとつがリフターに直接使える — 世界記録はおおむね午後4〜5時ごろに出るということだ。
Timeshifter の共同創業者兼CEOである Mickey Beyer-Clausen は理由をこう説明する。その時間帯は体温がピークに達し、サーカディアンシステム自体も最高潮に達する区間だと。世界記録が最も多く出て、競技遂行能力が最も高く現れる時間がここと重なる。
エリート選手はこれをどう使うか
あらゆる優位を探す選手たちは、サーカディアンの原理を2つの用途で使う。時差を越えて移動する際のジェットラグ最小化と、競技時間を体が最適な遂行に達する時点に合わせることだ。Beyer-Clausen は2026年ワールドカップの選手を含め、複数の競技の選手とこの作業をしてきた。同じ研究系譜から、共同創業者兼チーフサイエンティストの Stephen Lockley 博士はサーカディアンリズムと睡眠の研究を、宇宙飛行士が軌道上や船外活動中に覚醒を保つ支援に応用している。
このリズムは固定でもない。人によってクロノタイプが異なり、光曝露がリズム自体を前後に動かす。朝型と夜型でピークの時刻が同じ場所にあるわけではない。
ではトレーニング時間を午後に移すべきか
移さなくていい。世界記録が集まる時間帯という観察は一回の最大遂行についての話であって、何年にもわたるトレーニング適応の話ではない。続けられる時間帯が、記録に有利な時間帯に勝つ。早朝しか時間が取れない人が夜に切り替えて週4回が週2回に減るなら、残るのは損だけだ。
トレーニング時間を動かす理由はないが、この観察を無視する理由もない。拾う価値がある局面は測定のほうにある。
1RMはいつ測るべきか
答えは特定の時刻ではなく毎回同じ時刻だ。相対筋力スコアはビッグ3の1RM合計の上に立っており、そこで見たいのは特定の日の絶対値ではなく数か月にわたる推移である。ところが3月は朝7時、6月は夜7時に測った記録を同じ曲線に乗せれば、トレーニング効果と時間帯効果が混ざってどちらが動いたのか分離できない。
だから実用的なルールは2行だ。ひとつ、1RMテストは常に同じ時間帯に置く。自分のトレーニング時間が午前なら午前で固定すればよく、わざわざ午後に移す必要はない。ふたつ、その時間帯を記録しておく。あとで開始時刻の決まった場に出るとき、自分の記録がどんな条件で出た数字かを知っていれば、目標重量をずっと正確に置ける。
時間帯より優先される変数がある。直前の睡眠、最後の食事、その週の蓄積疲労は、時間帯効果より大きく最大遂行を揺らす。測定時刻を固定するのは、それらを管理したうえで最後に重ねる一枚だ。
1RM挑戦前の数週間の組み立ては最大重量挑戦前のテーパリングで、睡眠不足が遂行に与える影響は睡眠不足とリフティング遂行で扱った。
よくある質問
1RMを測るのに最適な時間帯はいつか?
最大遂行が最も出やすいのは体温とサーカディアンシステムが同時にピークを打つ午後遅くで、世界記録もおおむね午後4〜5時ごろに出る。ただし一般のリフターにとっては、特定の時刻より毎回同じ時刻に測る一貫性のほうが重要だ。
なぜ午後4〜5時に記録が出やすいのか?
その時間帯に体温がピークに達し、24時間の体内時計であるサーカディアンシステムも最高潮に達するからだ。世界記録が最も多く出て、競技遂行能力が最も高く観察される区間がここと重なる。
トレーニング時間を午後に移すべきか?
移す必要はない。時間帯効果は一回の最大遂行についてのもので、長期の適応を左右するのは継続できるスケジュールだ。時間を移すことで週の頻度が減るなら損のほうが大きい。
最適な時間は人によって違うのか?
違う。クロノタイプによってサーカディアンリズムのピーク時刻が変わり、光曝露はリズム自体を前後に動かす。朝型と夜型で最適な区間は同じ場所にない。
測定時間を揃えることはそれほど重要か?
推移を読むうえでは重要だ。朝に測った記録と夜に測った記録を同じ曲線に乗せると、トレーニング効果と時間帯効果が混ざる。ただし直前の睡眠、最後の食事、その週の蓄積疲労のほうが最大遂行を大きく揺らす。
出典: Men's Health