4時間睡眠の日、筋力は2〜3%落ちる
要点
急性の睡眠不足はほぼすべての運動能力を下げるが、筋力とパワーの低下幅は比較的小さい。平均するとトレーニング前に起きていた1時間ごとに約0.4%ずつ低下し、4時間睡眠の日はおよそ2〜3%弱くなる。最後の1レップが挙がるか落ちるか程度の差なので、トレーニング自体は行い、その日の1RM測定は見送る方がよい。
睡眠についての助言はいつも同じだ。もっと寝ろ。しかし数時間足りないことがジムで実際にどれだけ損なのかは、あまり語られない。Craven らは急性の睡眠不足(24時間以内に6時間以下)が運動パフォーマンスに与える影響を扱った69本の研究、227の結果をメタ分析した。
どれだけ弱くなるのか
無酸素パワー、筋力と筋持久力、スピード・パワー持久力、持久力、技術課題、高強度インターバル — ほぼすべての区分でパフォーマンスが低下した。低下幅が最も大きかったのは細かな協調と精度を要する技術課題で、筋力とパワーはそれより小さいものの一貫して低下した。
大きさはこうだ。トレーニング前に起きていた1時間ごとに平均約0.4%ずつ低下する。4時間しか寝ずにジムへ行けば、その日はおよそ2〜3%弱いことになる。劇的な数字ではないが、いつもなら挙がる最後の1レップを1回早く落とす程度の差だ。
いつ削ったかは、どれだけ削ったかと同じくらい効く
- 徹夜や夜更かしによる睡眠制限がパフォーマンスに最も悪かった。
- いつもの時刻に寝て早く起きる形の制限は、影響がより小さかった。
- トレーニング時刻も効く。眠れなかった日の夜のセッションは朝より悪かった。日中に疲労と睡眠圧が積み上がるためと考えられる。
実用的に裏返すと、片づけたい仕事があるときは夜遅くまで粘るより、いつも通り寝て早く起きて処理する方が翌日のトレーニングへの損が小さい。そして眠れなかった日は、セッションを夜より朝に寄せる方がましだ。
なぜ落ちるのか
Fullagar らのレビューはいくつかの要因を挙げる。交感神経活動が上がり副交感神経が下がって初期のオーバーリーチングに似た状態になること、重度の睡眠不足ではグリコーゲンの再充填が妨げられること、炎症がわずかに上がること、反応が遅く判断が悪くなること、そして運動記憶の定着が減ること。最後の項目が、技術課題の低下幅が最も大きかった理由を説明する。
その日は休むべきか
たいていはやった方がよい。運動そのものが睡眠の量と質を改善するため、眠れなかった日に抜くと翌晩まで悪くなりやすい。ただし難度を少し下げると、ずっと消化しやすくなる。
眠れなかった日にやってはいけないことがひとつある。1RM測定だ。2〜3%低い状態で出た記録は、実力ではなくその日のコンディションを測っている。
測定する日を選ぶ
相対筋力スコアはスクワット・ベンチプレス・デッドリフトの1RMから計算される。だから睡眠はこのスコアに静かに介入する。2〜3%はスクワット150kgで3〜5kg、ビッグ3合計400kgで8〜12kgに相当し、等級の境界を跨ぎうる幅だ。しかも低下幅が最大の区分は技術課題で、3種目はいずれも技術種目である。記録を更新するつもりならよく眠れた日に当て、眠れなかった日は重量を落としたボリューム作業に使う方がよい。
よくある質問
睡眠不足で筋力はどれくらい落ちるのか?
メタ分析ではトレーニング前に起きていた1時間ごとに平均約0.4%低下する。4時間睡眠ならおよそ2〜3%弱くなる計算で、筋力とパワーは技術課題より低下幅が小さい。
眠れなかった日はトレーニングを休むべきか?
たいていはやった方がよい。運動は睡眠の量と質を改善するため、抜くと翌晩まで悪くなりやすい。難度を少し下げ、可能なら夜より朝に行うとよい。
夜更かしと早起きではどちらが悪いか?
夜更かしだ。徹夜や遅い就寝による睡眠制限がパフォーマンスに最も悪く、いつもの時刻に寝て早く起きる形の制限は影響が小さかった。
睡眠不足の日に1RMを測ってもよいか?
勧めない。2〜3%の低下はスクワット150kgで3〜5kgに相当し、記録がその日のコンディションを反映してしまう。最大重量の測定はよく眠れた日に回す方が正確だ。