トレーニング

静的ストレッチもハムストリングの腱膜は太くしたが筋肉は太くしなかった

要点

トレーニング経験のない男性11名が、片脚でエキセントリック膝屈曲運動を、反対脚で同じ時間の静的ストレッチを10週間行った。MRIで測定したハムストリング外側腱膜の体積はストレッチ側で約19.0~31.8%、エキセントリック側で約15.8~22.8%と両方で増加し、4週間のディトレーニング後も維持された。一方、筋体積の増加はエキセントリック側のみで約22~42%現れ、ストレッチ側に有意な変化はなかった。

ストレッチで筋肉は大きくなるのか。同一人物の左右脚に分けて10週間比較したこの試験の答えは二つに分かれる。結合組織は大きくなり、筋肉は大きくならなかった

どう比較したのか?

トレーニング経験のない男性11名週3回・10週間、片脚では等速性装置でエキセントリック膝屈曲(毎秒5°、最大エキセントリックトルクの50%で3セット10回)を、反対脚では張力下時間を合わせた静的ストレッチ3回保持を行った。同一人物内で左右を比べる設計なので、遺伝や食事といった要因が統制される。

測定はMRIで行った。ハムストリングの外側腱膜の体積内側腱膜の体積と幅、そして筋体積を定量し、その後4週間のディトレーニングを経て再度測定した。

腱膜は両方とも大きくなった

外側腱膜の体積はすべての筋で両プロトコルとも増加した。幅はストレッチが約19.0~31.8%、エキセントリックが約15.8~22.8%で、むしろストレッチ側が大きかった。大腿二頭筋長頭と半膜様筋の内側腱膜の体積と幅も両プロトコルで約7~23%増えた。

腱膜は筋が力を腱へ伝える幅広い結合組織の板だ。ハムストリング損傷の多くが筋腱移行部付近で起きることを考えれば、ストレッチだけでこの構造が厚くなったこと自体に意味がある。

筋肉はエキセントリック側だけ大きくなった

筋肥大はエキセントリック訓練でのみ現れ、二関節性のハムストリングで約22~42%だった。ストレッチ脚の筋体積変化は有意でなかった。さらに筋体積の変化と腱膜寸法の変化は、ほぼすべての場合で有意な関連がなかった。二つの組織が別々に反応するということだ。

4週休むと何が先に落ちるか?

4週間のディトレーニング中、腱膜の変化は維持された。筋体積はベースラインより高く残ったものの短期のディトレーニングにより敏感だった。休めば筋肉が先に反応し、結合組織は持ちこたえるという順序である。

トレーニング経験のない男性11名、等速性装置を用いた単関節運動である。筋体積22~42%という幅には初心者効果が大きく反映されており、経験のあるリフターがノルディックカールやルーマニアンデッドリフトで同じ結果を得られるとは言えない。

ビッグ3のプログラムに入れるなら

役割が違う。ハムストリングを大きくするにはエキセントリック負荷が必要で、ストレッチでは代替できない。逆に結合組織だけを見ればストレッチも役目を果たした。デッドリフトの重量が速く伸びている時期なら、両方を残しておく理由がある。

関連してエキセントリック過負荷は筋節を増やすエキセントリックを抜いたトレーニングハムストリングのストレッチは前か後かを併せて読むと配置が整理できる。

よくある質問

静的ストレッチで筋肉は大きくなるか?

この試験では大きくならなかった。10週間、張力下時間を合わせた静的ストレッチを行った脚の筋体積変化は有意でなく、筋肥大はエキセントリック訓練を行った脚でのみ約22~42%現れた。

ではストレッチは何を変えたのか?

結合組織だ。ハムストリング外側腱膜の体積が約19.0~31.8%増加し、大腿二頭筋長頭と半膜様筋の内側腱膜の体積と幅も約7~23%増えた。増加幅はエキセントリック訓練(外側腱膜で約15.8~22.8%)よりむしろ大きかった。

腱膜が大きくなることと筋肉が大きくなることは関係があるか?

ほぼすべての場合で有意な関連がなかった。筋体積の変化と腱膜寸法の変化は互いに独立した適応として起きているとみられる。

4週間休むと何が先に落ちるか?

筋肉だ。4週間のディトレーニング中に腱膜の変化は維持された一方、筋体積はベースラインより高く残ったものの短期のディトレーニングにより敏感だった。

この結果をそのまま当てはめてよいか?

制限がある。対象はトレーニング経験のない男性11名で、運動は等速性装置を用いた単関節のエキセントリック膝屈曲だった。筋体積22~42%という増加幅には初心者効果が大きく反映されている。

出典: PubMed

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