トレーニング

ハムストリングのストレッチは運動前2〜3秒、運動後30秒で使い分ける

要点

理学療法士が示す処方は動作ではなく時点で分かれる。運動前は同じストレッチを2〜3秒だけ保持して5〜10回繰り返す動的な方法で、運動後は30秒ずつ2〜3セット保持する静的な方法で行う。広がった可動域を維持するにはストレッチで終わらせず、ケトルベルやダンベルのルーマニアンデッドリフトでその範囲に負荷をかけることで効果が長く残る。

ハムストリングのストレッチ種目はすでに知っている。問題はいつ、どれだけ保持するかだ。理学療法士が同じ動作に対して運動前と運動後でまったく違う時間を処方するのはそのためである。

基準は単純だ。運動前は2〜3秒ずつ5〜10回、出入りを繰り返す。運動後は30秒ずつ2〜3セット保持する。タオルやストラップを使う仰向けの姿勢は運動前が10秒×6回まで、運動後は30〜45秒×2〜3セットと少し長めに取る。

なぜハムストリングが腰痛として現れるのか

ハムストリングは殿筋の奥深くから起始し膝の下に停止する。だから股関節を伸ばす働きと膝を曲げる働きを同時に担う。この筋が短くなると骨盤を後傾に引き込み、その分だけ腰椎が屈曲した状態で圧を受ける。

結果として、原因は太もも裏にあるのに痛みは腰で感じるという状況が生まれる。前屈ができないのも同じ根だ。リフターにとってこれは他人事ではない — ヒップヒンジが出ないとデッドリフトのセットアップ自体が組めない

膝裏がピリッとするなら足元に段差を置く

ストレッチによっては筋ではなく坐骨神経に張力をかける。坐骨神経痛や腰痛がある場合は特にそうだ。対処は、ストレッチする脚を低い段差やステップの上に足裏全体をつけて乗せること。すると膝裏の鋭い感じではなく太もも裏の筋腹でストレッチがかかる。この姿勢で片脚30秒×3回。

仰向けで腰が押される場合はもっと簡単だ。床に伸ばした反対側の膝を立てると腰椎にかかる圧が減る。

PNFは10秒・10秒・10秒でひとまとまり

固有受容性神経筋促通(PNF)は筋を伸ばして収縮させる操作を繰り返して可動域を広げる方法だ。順序は決まっている — タオルで脚を引いて10秒ストレッチ、その状態で足でタオルを押して10秒収縮、力を抜いてもう少し引き10秒保持。ここまでで1回、片脚10回を目標にする。

スライダーを使うハーフニーリング方式はもっと短い。かかとをスライダーに乗せ骨盤を締めたまま足を前に滑らせて3秒保持、戻すのを片脚10回繰り返しながら毎回少しずつ範囲を広げる。

ストレッチで痛みが消えない、あるいは脚に痺れが下りる場合は、ストレッチを強くして解決する問題ではない。柔軟性の問題と可動性の問題はアプローチが異なり、その区別は可動性と柔軟性は別の問題だにまとめてある。

広がった範囲は重量で固定する

この記事で最も重要な一文はストレッチの一覧ではなく、最後に付いた条件だ。ストレッチのあとにその範囲を使う筋力運動をつなげて初めて効果が長く残る、というものである。名指しされた種目はケトルベルまたはダンベルのルーマニアンデッドリフトだ。

理由は明快だ。ストレッチは神経系に「この範囲は安全だ」と一時的に伝える作業であり、その範囲で実際に力を出して初めて体はその範囲を自分のものとして登録する。繰り返すうちに体はその動きを危険でないものと認識し、だから時間とともにより深いストレッチが可能になる。

マッスルインデックスの観点ではここが実質的な接点だ。ハムストリングの可動域はそれ自体がスコアに入るわけではないが、デッドリフトのセットアップで腰が丸まるかどうかを決める。デッドリフトの1RMが停滞していてセットアップで背中が丸まるなら、背中の筋力ではなくヒップヒンジの範囲がボトルネックかもしれない。膝の負担を抑えた下半身トレーニングは膝が痛む人の下半身トレーニングにある。

よくある質問

ハムストリングのストレッチは運動前と運動後どちらでやるべきか?

両方だが方式が違う。運動前は同じ動作を2〜3秒だけ保持して5〜10回繰り返す動的な方法、運動後は30秒ずつ2〜3セット保持する静的な方法で行う。タオルを使う仰向けのストレッチは運動後なら30〜45秒まで取ってよい。

ハムストリングが硬いとなぜ腰が痛むのか?

ハムストリングが短くなると骨盤を後傾に引き込み、その分だけ腰椎が屈曲した状態で圧を受ける。だから原因は太もも裏にあるのに痛みは腰で感じる。前屈しにくいのも同じ原因だ。

ストレッチで膝裏がピリッとする場合はどうするか?

坐骨神経に張力がかかっているサインだ。ストレッチする脚を低い段差やステップの上に足裏全体をつけて乗せると神経の張力が減り、膝裏ではなく太もも裏の筋腹でストレッチがかかる。片脚30秒×3回で行う。

PNFストレッチはどうやるのか?

タオルで脚を引いて10秒ストレッチし、その状態で足でタオルを押して10秒収縮し、力を抜いてもう少し引いて10秒保持する。ここまでで1回であり、片脚10回を目標にする。

ストレッチの効果を長く残すには何を足すべきか?

広がった可動域に負荷をかけることだ。ストレッチのあとにケトルベルやダンベルのルーマニアンデッドリフトのようにその範囲を使う筋力運動をつなげると効果が長く保たれる。ストレッチだけで終えると範囲は戻ってしまう。

出典: Men's Health

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