ホエイは1日30〜35gで頭打ちになる
要点
レジスタンストレーニングと併用したタンパク質サプリの36件のRCT(参加者1,552名)を束ねたベイジアン・ネットワークメタ分析で、除脂肪量の増加はホエイが1位だった(SUCRA 0.91、プラセボ比 +1.24kg、95% CrI 0.61〜1.87)。用量反応曲線は1日30〜35gで平らになり、それ以上増やしても追加の利得は観察されなかった。ミルクタンパク質(+1.18kg)とカゼイン(+0.92kg)が続き、植物性は効果推定値が小さかったが、エビデンスの確実性が低く断定はできない。
ホエイの用量反応曲線は1日30〜35gで平らになる。6週間以上の監督下レジスタンストレーニングと併用した36件のランダム化比較試験、参加者1,552名、89の試験群を8ノードのネットワークとして解析した結果だ。30gを45gに増やす費用は、実測された除脂肪量の差としては返ってこなかった。
順位はホエイ(SUCRA 0.91、プラセボ比 +1.24kg)、ミルクタンパク質(0.78、+1.18kg)、カゼイン(0.72、+0.92kg)。1位と2位の差が0.06kgという点はそのまま読む価値がある — どの乳由来タンパク質を選んでも結果はほぼ同じということだ。
では1日のタンパク質も30gでいいのか
違う。この数字はサプリで追加する量であって、1日の総摂取量ではない。食事から入るタンパク質はこの解析の比較対象ではなかった。シェイクを2スクープから3スクープに増やすことと、1日の総量を満たすことは別の問題だ。
1.24kgはどれくらい大きいのか
6週間以上のトレーニング期間でサプリが上乗せした分が1.24kgだ。運動で得た増加の全体ではなく、プラセボ群との差である。トレーニング自体が動かす数字のほうがはるかに大きく、サプリはその上に乗る層にすぎない。順序を逆にすると、シェイクだけ増えてセット数は据え置きという状態になる。
年齢が上がるとホエイではないのか
65歳以上ではホエイの優位が縮まった。ホエイのSUCRAが若年層の0.92から0.89に下がり、カゼインが0.68から0.76に上がっている。吸収の遅いカゼインが夜間のような長い空腹区間を埋めるのに有利だという解釈とかみ合う。ただしこのサブグループ解析は9件の試験のみに基づき、順位が入れ替わりうると著者自身が明記している。50代以降のトレーニング強度もあわせて読むといい。
植物性タンパク質では駄目なのか
大豆、エンドウ、米タンパク質は乳由来より効果推定値が小さかった。ただしエビデンスの確実性は低〜非常に低で、信用区間も広い。乳糖や消化の問題で乳製品を避ける人が、我慢してホエイを飲む根拠はこの解析にはない。
相対筋力スコアの観点では、これは分母の話でもある。ビッグ3の合計を体重で補正するスコアなら、同じ体重で除脂肪量が増えるほど記録が伸びる余地が広がる。除脂肪1.24kgはその余地をつくる単位だ。総摂取量とタイミングの優先順位はタンパク質のタイミングと総量で扱った。
30〜35gという地点は著者自身が「探索的」と明示した推定値だ。制限付き3次スプラインで曲線を当てはめた結果であり、体重やトレーニング量によって最適点は動きうる。確定した上限として読まないこと。
よくある質問
ホエイプロテインは1日何グラムが適量か?
レジスタンストレーニングと併用した36件のRCTを束ねた解析で、ホエイの用量反応曲線は1日30〜35gで平らになった。それ以上増やしても除脂肪量の追加の利得は観察されていない。ただしこれはサプリで追加する量であり、1日の総タンパク質摂取量ではない。
ホエイとカゼインではどちらが筋肉に良いか?
全参加者ではホエイが1位だった(SUCRA 0.91、プラセボ比で除脂肪量 +1.24kg)。カゼインは0.72、+0.92kgで3位。ただし65歳以上ではホエイの優位が縮まり、カゼインの順位が0.68から0.76に上がった。
植物性プロテインでも筋肉は増えるか?
大豆、エンドウ、米タンパク質は乳由来より効果推定値が小さかった。ただしエビデンスの確実性は低〜非常に低で信用区間も広く、確定的な結論ではない。乳糖不耐など乳製品を避ける理由があるなら植物性は合理的な選択だ。
プロテインサプリでどれくらい筋肉が増えるのか?
6週間以上レジスタンストレーニングを併用した場合、ホエイ摂取群はプラセボ群より除脂肪量が平均1.24kg多く増えた(95% CrI 0.61〜1.87)。これは運動で得た増加の全体ではなく、サプリが上乗せした差である。
出典: PubMed