タンパク質はいつ摂るかより、1日にどれだけ摂るかだ
要点
運動の前後どちらでタンパク質を摂っても利益は確認されており、30分または2時間という狭いアナボリックウィンドウの概念はこの数年でおおむね否定された。代謝ウィンドウは24時間以上に及びうるし、筋タンパク質合成は運動後数時間続く。研究では、筋力と筋量をより良く予測するのは摂取のタイミングではなく1日の総摂取量だとされている。筋肉を増やすなら体重1kgあたり約1.8〜2.2gが目安になる。
ジムでもっとも古い論争のひとつが、プロテインシェイクを運動前に飲むか後に飲むかだ。専門家の答えは拍子抜けするほど単純だ — 総量を満たしているなら大して重要ではない。運動前でも後でも利益は確認されている。
アナボリックウィンドウはどうなったのか
体がタンパク質を筋合成にとくに効率よく使う区間、いわゆる代謝ウィンドウは、かつて非常に短いと考えられていた。ある人は運動後30分、ある人は2時間以内だと言った。この概念はこの数年でおおむね否定された。
現在の理解では代謝ウィンドウは24時間以上に及びうる。運動が終わったあと数時間、筋合成が続くという根拠も積み上がっている。運動の直前や直後にタンパク質を押し込むことは、かつて考えられていたほど切迫した話ではないということだ。
無理に詰め込む実務的な弊害もある。一度に大量のタンパク質を流し込むと胃が不快になりうるし、満腹でセッションを最後までこなせなくなることもある。
では何に集中すべきか
単純だ。そもそも質の良いタンパク質を十分に摂っていないなら、タイミングには何の意味もない。研究は、1日にどれだけ摂るかのほうが、いつ摂るかより筋力と筋量をよく予測するとしている。
目安は目標によって分かれる。食事指針が示す体重1kgあたり約0.8gは生存のための最低値であり、筋肉を増やしたい人には明らかに不足だ。筋肥大が目標なら体重1kgあたり1.8〜2.2gが目安になる。
体重82kgなら1日およそ145gだ。多く見えるが分ければ現実的で、40gの食事3回と20gの間食またはシェイク2回で満たせる。あるスポーツ栄養士の助言は、朝食と間食のタンパク質を少しずつ上げるほうが、1食で牛一頭を食べるより楽だということだ。
それでも配置はどうするか
タイミングが決定的でないことは、何も考えなくていいという意味ではない。実務的な推奨はこうなる。
- 運動後は活動レベルに応じて20〜30gを摂り、1日を通して補い続ける。
- 1日の総量は一度にまとめず、約3時間おきに分ける。
- 運動を括弧でくくるやり方も良い — 1時間ほど前に一部、終わってから残り。
- シェイクには炭水化物を入れる。バナナなどの果物で十分だ。
炭水化物を軽視しない
タンパク質だけを見るのも問題だ。皿の3分の1がタンパク質なら、残りは野菜と穀物であるべきだ。炭水化物は体が活動するときに使う燃料であり、減らしすぎると運動中に筋肉の一部を燃料として使ってしまう危険がある。
炭水化物は消費したグリコーゲンを戻すのにも必要で、筋損傷を減らすことにも寄与する。運動後に炭水化物とタンパク質を一緒に摂るほうが回復に良いという研究もある。
タンパク質を増やしやすいのは朝食と間食だ。パスタソースやフムスに無香料のプロテインパウダーを混ぜたり、サワークリームをギリシャヨーグルトに替えたりするだけでも上がる(3オンスあたり9g対1.4g)。植物性タンパク質も併せて増やすとよい。
筋力スコアとの関係
ビッグ3が停滞したとき、多くの人が最初に手をつけるのはサプリのタイミングだが、上のデータに従えばそれは順番が違う。まず確認すべきは1日の総タンパク質と総カロリー、次にボリュームと強度、タイミングはその後だ。
そして相対筋力スコアは体重で補正した点数なので、タンパク質の目標も体重とともに動く。体重が変われば目標グラム数も計算し直す必要があるということだ。減量期にはとくに重要になる — 詳しくはカロリー密度ダイエットで扱った。
よくある質問
プロテインシェイクは運動前と後、どちらで飲むべきか?
どちらでも利益は確認されており、総量を満たしているなら大きな差はない。運動を括弧でくくるように1時間ほど前に一部、終わってから残りを分けて摂るやり方も良い。
運動後30分以内にタンパク質を摂る必要はあるか?
その必要はない。30分または2時間という狭いアナボリックウィンドウの概念はこの数年でおおむね否定された。代謝ウィンドウは24時間以上に及びうるし、筋タンパク質合成は運動後数時間続く。
1日にどれだけタンパク質を摂るべきか?
筋肥大が目標なら体重1kgあたり約1.8〜2.2gだ。食事指針の1kgあたり0.8gは生存のための最低値で、筋肉を増やしたい人には不足する。体重82kgなら1日およそ145gになる。
タンパク質を一度にまとめて摂ってもよいか?
推奨されない。1日の総量を約3時間おきに分けるほうがよく、一度に大量に摂ると胃が不快になったり満腹で運動がこなせなくなったりする。
炭水化物も一緒に摂るべきか?
そうだ。炭水化物は活動中に体が使う燃料で、減らしすぎると運動中に筋肉の一部を燃料に使う危険がある。消費したグリコーゲンの回復と筋損傷の軽減にも寄与し、運動後に炭水化物とタンパク質を一緒に摂るほうが回復に良いという研究がある。