トレーニング

体重2%の負荷を8週間つけて訓練したらジャンプが11%上がった — 最大筋力は変わらず

要点

高度に訓練された大学サッカー選手30人が、8週間・週3回、体重の2%にあたる重りを下肢に分散して着用し、普段どおりの練習を行った。対照群と比べて10m・30mスプリント、反動ジャンプ高(+10.97%)、5-0-5方向転換が有意に改善し、等尺性の力の立ち上がり速度(RFD)が7.95%上昇した。一方で最大随意収縮トルク、筋電図振幅、外側広筋の筋厚と羽状角は変化しなかった。この方法が上げたのは筋量や最大筋力ではなく初期の神経적応である。

軽い重りを身につけて普段の練習をするやり方は古くからあるが、何が良くなるのかは曖昧なままだった。この研究はその答えを良くなるものと、ならないものに分けた。良くなったのは速く力を出す能力で、変わらなかったのは最大筋力と筋のサイズだ。

どれだけの重さを、どこに

負荷は体重の2%。80kgの選手なら約1.6kgで、一か所に集中させず下肢に分散して着用した。別に練習時間を足したわけではなく、既存の技術・戦術練習にそのまま重ねる形で、週3回を8週間続けた。対照群は重りのない同じウェアを着た。

なぜ最大筋力は上がらなかったのか

体重の2%は筋肥大や最大筋力の向上を促すには軽すぎる刺激だからだ。実際、最大随意収縮トルク、筋電図振幅、筋厚、羽状角のいずれも対照群と差がなかった。研究者は改善の原因を構造の変化ではなく初期段階の神経適応と解釈している — 筋が大きくなったのではなく、既にある筋をより速く動員できるようになった。

RFDが上がると実際に何が変わるのか

力の立ち上がり速度(RFD)とはゼロから大きな力に達するまでの速さのことだ。スプリントの最初の10m、ジャンプの踏み切り、切り返しの瞬間のように接地時間が0.2秒に満たない動作では、最大筋力よりこちらが結果を決める。ここでスプリント・ジャンプ・方向転換が揃って改善したのもそのためだ。さらに主観的な練習負荷(セッションRPE)は両群で差がなかった — 体感的な疲労を増やさずに得られた改善である。

ビッグ3をやる人にとっての意味

率直に言えば、この方法でスコアは上がらない。スコアはスクワット・ベンチ・デッドリフトの1RMの合計から出るもので、この研究が明確に示したのは2%の負荷が最大筋力に触れないという事実だ。使いどころは別にある。重い練習を増やす余力がない時期 — シーズン中、試合前の最後の数週間、回復が厳しい局面 — に疲労を足さずに爆発力だけを保つマイクロドーズとしてなら根拠がある。最大筋力と速度が別の軸であることはスピード練習は速度ではなく力を上げるでも同じ結論だった。

よくある質問

ウェアラブル負荷トレーニングで筋肉は大きくなるのか?

この研究では大きくならなかった。8週間後の外側広筋の筋厚と羽状角は対照群と差がなく、最大随意収縮トルクも変わらなかった。改善したのはスプリント、ジャンプ高、方向転換、力の立ち上がり速度だけである。

どれくらいの重さをつければよいのか?

この研究が用いたのは体重の2%で、一か所に集中させず下肢に分散して着用した。80kgの人ならおよそ1.6kgにあたる。週3回、既存の練習に重ねる形で8週間続けた。

力の立ち上がり速度(RFD)はなぜ重要なのか?

RFDはどれだけ速く力を出せるかを表す。スプリントの序盤、ジャンプの踏み切り、切り返しのように接地時間が非常に短い動作は、最大筋力よりRFDに左右される。この研究ではRFDが7.95%上昇した。

練習の疲労は増えないのか?

この研究でセッションRPEで測った主観的な練習負荷は、着用群と対照群で差がなかった。研究者がこれをシーズン中のマイクロドーズ戦略として提案した理由もそこにある。

出典: PubMed

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