ダンベル4種目あれば初心者のプログラムは完成している
要点
初心者に必要なダンベル種目は四つだ — ルーマニアンデッドリフト(3〜4セット6〜8回)、チェストサポーテッドロウ(3〜4セット8〜12回)、ゴブレットスクワット(3〜4セット8〜12回)、ダンベルベンチプレス(3セット8〜10回)。ヒンジ・引く・スクワット・押すという四つの基本パターンをひとつずつ担い、必要な道具はダンベル一組と可変式ベンチだけである。初心者期の急成長は身体と神経系が訓練に適応することで起きるので、その期間を最大限使うのは複雑な種目ではなく、早く習熟できる種目だ。
筋力と筋肉をつけることは思うほど複雑ではない。訓練を始めたばかりの人は身体と神経系が適応して急速に伸び、その期間を最大限に使う方法は主要な筋群を網羅しつつ早く習熟できる定番種目を選ぶことだ。最新の器具も、重いプレートの山もいらない。
1. ルーマニアンデッドリフト — ヒンジ
床から大きな重量を持ち上げられる身体をつくる出発点であり、ハムストリングス・殿筋・中背部を同時に鍛える。ダンベルを体側に近づけて持ち、肩を後ろに、体幹と殿筋を締めた状態で尻をできるだけ後ろに押しながら2秒かけて上体を下ろす。ダンベルはすねの近くに保ち、前に垂らさない。底で一瞬止め、下ろしたときより少し速く立ち上がる。3〜4セット6〜8回。
2. チェストサポーテッドロウ — 引く
胸をベンチに預ける理由は腰を計算から外すためだ。ベントオーバーの変種では腰が弱点になりやすく、ここではその問題なしに中背部・上背部だけに集中できる。インクラインベンチを30〜45度にし、胸をパッドに当てて頭は乗せない。腕を垂らし肩甲骨をやや前に出した姿勢が開始点で、肘を後ろに引いてダンベルを胸まで上げ、肩甲骨を寄せる。下ろすときは肩甲骨が開き、底で完全に伸びるようにする。おまけに握力がつくが、握力は長寿の指標としても使われる。3〜4セット8〜12回。
3. ゴブレットスクワット — スクワット
大腿四頭筋・殿筋・腹部を刺激しながら、座って立つ動作そのものを教える。足は肩幅より少し広く、つま先はやや外向き、ダンベル一つを胸の高さで両手に持ち肘を立てる。中背部に張りをつくって肩を引き、体幹を締めてから尻を後ろに送り膝を曲げて、太ももが床と平行かそれよりやや下まで下ろす — 可動域が許す楽な位置まででよい。膝を外に押して内側に潰れないようにし、肘を膝に乗せて休まない。3〜4セット8〜12回。
4. ダンベルベンチプレス — 押す
押す力をつくる場所であり、胸・肩・上腕三頭筋が同時に働く。フラットベンチに寝てダンベルを胸の位置で持ち、肩をパッドに押し込んだまま腹と殿筋を締める。足は床に平らに。前腕を垂直に保ちながら真上に押し、下ろすときは肋骨のほうへ、肘が開きすぎないようにする。3セット8〜10回。
この四種目はスコアとどうつながるか
パターンがそのまま続く — RDLはデッドリフトへ、ゴブレットスクワットはバックスクワットへ、ダンベルベンチはバーベルベンチへ移行し、ロウはその三つを支える背中の筋力をつくる。つまり初心者期のこの四種目はビッグ3とは別の道ではなく、ビッグ3への入口だ。バーベルに移る時点で計算機に最初の記録を入れておけば、その後の伸びを体重と年齢の補正が入ったひとつの数字で追える。バーベル練習を始める順序はバーベルトレーニングの始め方にまとめてある。
よくある質問
初心者はダンベルだけで筋肉をつけられるのか?
つけられる。ダンベル一組と可変式ベンチがあれば、ルーマニアンデッドリフト、チェストサポーテッドロウ、ゴブレットスクワット、ダンベルベンチプレスで主要な筋群をすべて網羅できる。初心者期は身体と神経系が訓練に適応して急速に伸びる時期でもある。
この四種目のセットと回数は?
ルーマニアンデッドリフトは3〜4セット6〜8回、チェストサポーテッドロウは3〜4セット8〜12回、ゴブレットスクワットは3〜4セット8〜12回、ダンベルベンチプレスは3セット8〜10回である。
なぜベントオーバーロウではなくチェストサポーテッドロウなのか?
胸をベンチに預けると腰が関与しなくなるからだ。腰はベントオーバーの変種で弱点になりやすく、それを外すことで中背部・上背部だけに集中でき、同時に握力も鍛えられる。
ゴブレットスクワットはどこまで深く下ろすべきか?
太ももが床と平行かそれよりやや下までが目安で、可動域の範囲で最も楽な深さまででよい。下ろすあいだは膝を外に押し、内側に潰れないように保つ。